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・日本を代表するシャーマン「イタコ」のユニークな習俗を記録した写真集

・91歳のイタコ・中村タケさんによる実際の「口寄せ」の記録も収録


その昔、日本の各地には、人々の生活に根ざしたさまざまな儀式や習俗が存在した。
その中には、今の価値観に照らせば荒唐無稽に感じるものもあるかもしれない。
が、それが豊かで独特な日本の文化と精神性を育んだことは間違いないだろう。
「イタコ」も、そんな習俗の一つに挙げられる。

この写真集は、イタコという地域の生活に密着したユニークな習俗を記録したもの。
イタコとは、青森県に実在する女性の霊媒師のこと。
その役割として広く知られているのは、
ホトケ(死者)の魂を降ろして自身に憑依させ、ホトケの言葉を自らの口を通して伝える「口寄せ」だ。

古来、神やホトケの言葉を伝える巫女は日本中に存在した。
今でも、沖縄・奄美のユタやアイヌのトゥスクルなど、日本の一部にはシャーマンが存在する。
その中でも、青森県の南部地方や津軽地方のイタコは、目の不自由な女性がホトケの声を伝えるところに大きな特徴がある(イタコは元来、目の不自由な女性がコミュニティの中で生きていくための「仕事」として成立した経緯がある)。

昭和30年代から40年代にかけて、
青森県八戸市を中心とした南部地方だけで数十人のイタコが存在した。
ところが、戦後の経済発展とともに、
イタコと、その底流にあるアニミズムやシャーマニズムの世界観は次第に衰退していく。
その後の高齢化によって、師匠となれるイタコも死に絶えたため、
現在も活動している歴史的・伝統的イタコは数人に過ぎない。
わけでも盲目のイタコはタケさんおひとりとなった。

この写真集では、イタコという存在を足がかりに、日本人が無意識に持っている
宗教観や信仰を浮き彫りにすることを企図している。

タケさんによる実際の口寄せの記録やインタビューに加え、
イタコの歴史やイタコを成立させている日本人の霊魂観、
科学とスピリチュアリティの関係、
イタコの役割の一つである「オシラサマアソバセ」、
恐山や川倉賽の河原地蔵尊などイタコが集まる場所「イタコマチ」についても論じている。

【写真集の主なコンテンツ 】
中村タケさんや松田広子さん、
恐山や川倉賽の河原地蔵尊などのイタコマチの写真と解説に加え、以下の寄稿・インタビューを掲載。

・中村タケ 口寄せの全文
・中村タケ インタビュー
・イタコの唱え言解説
・イタコとは何か(郷土史家、江刺家均)
・松田広子 インタビュー
・日本人の信仰とその歴史(正覚寺住職、宗教ジャーナリスト、鵜飼秀徳)
・日本人の霊魂観(宗教学者、山折哲雄)
・科学とスピリチュアリティ(宗教学者、島薗進)
・川倉賽の河原地蔵尊住職、佐井川智道インタビュー
・存在の彼岸(ジャーナリスト・作家、金田信一郎)


■発行/蛙企画
■撮影/和多田アヤ
■仕様/160ページ、H320×W220、ソフトカバー、フルカラーオフセット+特色

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